トークリレーで語るSAKUHO 2/4

オヤジだけの異次元の旅。

星衛


ちょっと調べてみたら、NegAcoustikaの一員となってすでに五年がたっているらしい。まさに光陰矢のごとし。光彩陸離たるヴァイオリンではなく、あえて重厚低音チェロを選んでいただいたのは光栄至極、感謝の気持ちでいっぱいである。個人的にはがぜん張り切っているのであるが、他のメンバーがとにかく元気、まさに雀百まで踊り忘れず、音楽を決してやめないオヤジたちはますます意気盛んであり、リハ時間の長さは私が関与しているバンドの中でもとびぬけているし、日々の連絡通信の頻繁にして密なることも随一である。近代的な連絡システムに順応しきれていない私などは事務的作業面でどうしても落伍しがちで、かくしてこのメンバーによるリレー記事も締め切りを守れず、今頃のこのこ発信している次第である。なにとぞお許しを。
さてさてわがNegAcoustika、いつかいつかと待ち構えていたレコーディング、遂にきたか、という思いであった。合宿してほぼ一発録り、というから、相変わらず血気盛んだわいと、内心、武者震い。愛する家族のもとを離れ、オヤジだけの異次元の旅に出たのが昨年の晩夏、人生の楽しみ方を熟知しているオヤジたちであるから、信濃路を行く以上、しっかり蕎麦にもこだわったのが嬉しかった。肝心のレコーディングは、時間との闘い、途中、いわゆる「煮詰まる」という現象も出来し、幻覚がちらつくこともあったようである。熱中するあまり冷房が入っていないことに気が付かず、額に玉の汗を流しながら演奏した時間帯もあったが、時間切れというのはある種、潔いところがあって、男らしいと思った。いきなり仏像の話で恐縮だが、このCDは一木造りの強さがあるのではないか、と個人的には思っている。頭、腕、手など部分部分を個別に作り、最終的に組み合わせて仏像一体をなす寄木造りとは違って、一木造りは、一本の樹木から丸ごと仏の魂を彫り出す。そんな大らかな迫力が込められたなら幸いである。
NegAcoustikaは、ほぼ同年代のオヤジたちの団体であるから、リハに酒宴に居心地が良い。痛恨だったのは、レコーディング終了後の宴席に参加できなかったことだ。彼らが軽井沢の高級フレンチで美酒に酔っているとき、私はひとり新幹線で家庭に舞い戻らねばならなかったのだ。やせ我慢で言わせていただければ、二日間のレコーディングのあとに新幹線で飲んだスルメにワンカップ、これはこれ高級フレンチに劣らぬ美酒でありました。

(文・星衛)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ネガコの求めた音世界を聴け!

KOW


出来上がったCDを聴いてまず思うのは
本当に上手くいった、ということです。
僕らは自信満々で
一発録音に臨んだわけではなく、
ネガコのアルバムを作るなら
「この方法しかない」
と結論を下さざるを得なかっただけ。
この音楽はゆたかな音場を取りこんで
はじめて成立すると判断したからです。
そしてクラシックや
民族音楽やジャズのように、
一緒に演奏することによって得られる
揺らぎ、倍音、グルーヴなしでは、
ネガコの音楽にはならない、
とメンバー全員が合意したからです。
最初はマルチ録音も考えました。
その下準備も始めました。
でも最後は一発録音に腹を括ることに。
メリアホールという最高の音場。
生録エンジニア・中田太三さんと
クラシック音楽を手掛ける
マスタリングの板谷宏史さん。
いずれが欠けてもこうはなりません。
場と人のチカラがとても大きかった。
もちろん僕らも懸命にリハをしました。
その成果は勢いとまとまりに
よく表れていると思います。
是非聴いてみてください。
ライブでは未だ実現していない、
ネガコの求める音を。

KOW's Music Site

私の名前はKOW。このサイト、そしてブログではKOWが携わる音楽へご案内します。作品、音源、動画、ライブスケジュールなどなど、KOWの音楽活動はこちらでどうぞ。 🔹ソロ 🔹キアトKIAT 🔹ファーカンダ 🔹NegAcoustika

0コメント

  • 1000 / 1000