レニーニ、僕は超ラッキーだった。

今日はブラジルついでにもう一つ。

懐かしい写真がでてきた。
MPBで最高にクールな音楽家レニーニと
パンディエロの改革者マルコス・スザーノ。
この2人がタッグを組んで
レニーニ・スザーノとして来日したときの
スナップ。
サバス東京でのライブの前に
ビールをのみながらお喋りしたときの
記念だ。

この2人の音楽は今や伝説だけど、
当時はショックそのものだった。
楽器はエレガットにパンディエロ。
その二つだけで完全にロックしたのだから。
レニーニのギターはボサのバチーダ奏法に
ロックやファンクのリズムを持ち込んだ。
スザーノのパンディエロは
皮を緩めて低音をだし、同じ皮を
指で押しては皮の張力を高めて高音をだし、
それをピックアップで増幅した。
もう1人のメンバーといえるPAエンジニアの
デニルソンが2人の音から
徹底的にローとハイを強めれば、
ギターの低い弦はベースになり、
パンディエロはバスドラとスネアになって
ドライブする。
実際のライブを目の前にすると、
このシンプルな編成からは、
信じられないようなビートがはじける。
レニーニはよく
「俺たちは世界一カネのかからない
ロックバンドなんだ」という
コトバを口にしていたが、
嘘偽りでないことを実感するしかなかった。

このときは早めに店に行ったら
二人がいたので話しかけたら、
じゃあ、一緒にビールでも
飲もうということに…

ブラジレイロ(ブラジル男性)は基本気さくで、
レニーニは三銃士のメンバーか、
メタルミュージシャンにみたいに見えるが、
知性的解放的な魅力溢れる人柄。
彼の2作目「未知との遭遇の日々」が
出たばかりだったので、
そのアルバムのことや、歌詞のことや、
彼の生まれ育ったレシーフェの
街や橋のことや、
彼が大好きな「子連れ狼」について、
質問し合い、意見を交換した。
「おい、コウさん!子連れ狼を全集で揃えたいんだ。売っているところに連れて行ってくれ」とか(笑)
お互いに最高に会話を楽しんだ、
ひと時だった。

スザーノは学者みたいな雰囲気の人で、
落ちついた眼差しで考えながら語る。
後日、彼のパンディエロワークショップに
参加して、
スザーノのパンディエロ理論が
どんだけ論理的かを思い知る。
やはり発明家なのだ。

このとき1997年。
彼らは40歳近くだったはずだ。
まだ日本での知名度は低かったが、
ライブパフォーマンスがあまりに凄く、
瞬く間に評判が広まった。
僕は3回観に行ったが、
日毎にお客さんが増えた。
その後来日でもステージがはねると、
コトバを交わした。

今やブラジルでレニーニを
知らぬ者はいない。
ヨーロッパやアメリカでも凄い知名度。

レニーニ、僕は超ラッキーだった。

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