やはりブラジル音楽
10代の頃はカヴァーを沢山した。
いわゆる耳コピでアルバム一枚分とか、
ずいぶんと数をやったもの。
クイーン、ビバップデラックス、イエス、
クリムゾン、ジェフ・ベックなどなど。
学校と読書と詩作とエレクトリックギター。
あの頃は時間がいっぱいあったので、
たいそうな時間を費やせた。
学校嫌い。勉強嫌い。
先生の大半は大嫌い。
生活指導部はぜんぶ敵、といった僕には、
たいそう時間があった。
30歳のとき、自分のモノの見方を
根底から変えてしまう出来事があって、
僕はエレキをクラギに持ち替えて、
1人きりで再出発した。
その頃に出会ったアルバムが
ジョアン・ボスコのこの一枚
「100回記念ライブ」。
針を下ろして冒頭から衝撃をうけた。
なんだ?
このギターは?この歌は?この音楽は?
高速なアルペジオとビートは
正確なうえにしなやかで美しく、
コードの響きはニュアンス豊かで
常に色彩感の変化に富み、
圧倒的なヴォーカルの
猫科の動物めいたしなやかさ。
これがたった1人の弾き語りなの?
このジョアン・ボスコという人が、
ブラジル人なのはわかっていても、
いったいどこからきた人なのか?と
不思議に思わずにはいられなかった。
それまで聞いてきた音楽によって
築かれた自分の音楽的常識からは、
想像ができないソロパフォーマンス。
いったいどこから手をつけていいか
わからなかったが、
これが弾けるようになったらすごいなぁと
思ったのは僕の自然の摂理。
と、いうわけで、
とりあえずはコピーしてみたものの、
とてもではないが
同じように演奏することはできなかった。
当たり前と言えば当たり前だが、
どうやってこういった奏法を行っているのか
がイメージできず、
劣化した真似事にすらならなかった。
…それから四半世紀過ぎた。
YouTube動画などを漁っているうちに、
ジョアン・ボスコの動画が
多数あるではないか!
(これリンク先youtubeで見れます)
僕はこれらを注意深く眺めてみた。
右手首の角度、指の動き、
コードフォームなどなど…
とくに注目のポイントは右手首の位置で、
そこがほとんど動かないことにあった。
そうこうするうちに俄然やる気が出てきて
再び取り組んでみる気になった。
ここ数年の自分のギターへの習熟への成果も
多少はあるのだろう…楽しい❣️
思ったよりも早くカタチになってきた。
いろんな音楽を聴いて
たくさん影響を受けてきたけど、
もう聴かなくなった音楽も多い。
自分のなかで終わってしまったのだろう。
でもブラジル音楽は
飽きると言うことがない。
ジョアン・ボスコのソロは
あまりにも素晴らしいが、
このくらいユニークな、
そして化け物クラスのミューシャンが、
普通にいるのがブラジルなのだから。
だからあまりカヴァーする気にはなれないが
ここから学び取れるものは大きい。
やはりブラジル音楽。
これからも聴きたい音楽。
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