ライブ会場探し

2021年度、僕はとても安心してライブができた。アピア40と言う自分にぴったりのライブハウスと出会えたからだ。

アピア40のサウンドはクリアで美しくて、とにかく歌を大事にしている。歌詞がしっかり聞き取れること。これはヴォーカリストの僕が大事だと思うこと。なぜなら歌の中身を届けたいから。
ライブハウスと言う場所は1種の自己拡大装置だと思う。アンプとスピーカーを通じて声の音も楽器の音も拡大され、部屋に充満させることができる。自分の身体から発せられるものの何倍ものボリュームを得て響くのだから、自分が巨大化したかのような錯覚をする。

もちろん電気楽器はアンプとスピーカーがなければ始まらない。

その結果両者のバランスが著しくおかしいものになってしまうことが頻繁に起こる。歌の中身が全く聞こえないライブハウス。ヴォーカリストはただ何かを歌っていると言う感じで、ニュアンスと言うものがほとんど伝わらない。聴衆には届かないだろう。

これでは音楽を中身を著しく損なってしまうと僕はいつも感じている。
僕も若いときは轟音で演奏していた。ギターアンプのボリュームをガンガン上げると、よく歪んで気持ちよかった。ヴォーカリストの事など全く考えなかった。

良い音楽を作れるわけがない。

電気的な拡声技術の進歩と共に歩んできたロックと言う音楽は、いつしかでかい音で演奏するのが当たり前なった。歌詞が聞こえなくても構わないと言うものがそのバンドのアプローチであればもちろん構わない。そういう考え方があってもいいのだ。しかし、普通に歌詞を歌い、それを聞かせたいのであれば、バンドの音量にはちゃんとしたバランスポイントがある。

いろんなライブハウスに出演してみて、少なくともそのことをきちんと把握しているミキシングエンジニアがいるかどうかが、いいライブハウスかどうかを判断する最重要条件とわかった。

ライブハウスの名店・神戸チキンジョージにネガコースティカで出演したとき、ミキシングエンジニアはわずか15分で僕らのサウンドバランスを作ってしまった。そしてモニターから出てきた音が素晴らしすぎた。全てがクリアに聞こえて、しかも僕らのサウンドを強力に拡大して伝えてくる。まるで僕たち自身の音楽能力が大きくなったかのように。
1月7日のヴィオロンソロライブで、僕は久しぶりにノンPAノンマイクで演奏した。たまにこういうことをやると良いのは、等身大の自分を感じられるからだと思う。僕の声はこれだけなんだ、僕のギターはこんなものなのだ…素のボリュームを感じながら演奏するのは、1種の自己確認行為とも言える。どんなに電気的に自己拡大しても、この感覚を忘れてはいけない。
…と言うわけで、今年もアピア40でライブをできると良いなと思う。僕のかかわる音楽で言えば、ロックバンドのキアトはしっかりと大きな音量が欲しい…もちろん歌の歌詞が聞き取れる範囲で。ネガコは全員のアンサンブルが成立する条件のもとで最も大きな音。ファーカンダは等身大の僕らが感じられる位のボリューム…

しばらくライブ会場探しをする必要は東京ではなさそう💛



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