100年に1度の大変動期にいる

昨日、ある経営者の方と座談していたら、
ざっくばらんにそんなハナシになった。

2030年、欧州各国では
ガソリン車が販売できなくなる。
その後、セールスの中核となるのは
必然的にEV(電気自動車)となる。

車メーカーにとって今まさに
存亡をかける時代がはじまった、と。
なぜならエンジン(内燃機関)が
不要になるからだ。

自動車メーカーの技術やノウハウのなかで、
エンジン技術はその中核を成してきた。
しかしEVは車体や脚まわりの技術があれば、
サプライヤーからモーターと電池さえ
調達できば製造することができる。
テスラのように新興メーカーが僅かな期間で
成功を収めたのがその実例といえるだろう。
これから自動業界は
既存勢力の足元が揺らぐ時代に突入する。
安定した地位を築いている現メーカーが、
凋落の道を辿る可能性は大きい。
そして次に重要なこと、それは
ソフトウェアがクルマの核になる、
ということだ。

もうご存知かと思うが
日本ではソニーが
車業界に進出することを発表した。
ソニーはこれまではクルマの電子機器類の
部品サプライヤーだった。
しかし今後はクルマメーカーとして
主導権を握る。
ソニーにはどんな勝算があるのだろうか。

その答えはとても簡単。
エンターテイメントの技術力。
これに尽きるのだ。
プレステやアイボを作ってきたソニー。
そのノウハウやスキルこそが、
彼らの作るEVの核となり、
キャラクターとなる。

これからの車は全てが電子化され、
ハンドルは消え去り、
アクセルもブレーキも不要になる。
もちろんガソリンを入れると言う行為は
過去のものになる。
いちばんの変化は、人が運転する必要は
ほとんどなくなる、ということだ。
すると車は「移動する室内空間」となる。
会話をし、映画を見て、ネットに繋がり、
情報を検索し、ゲームで遊び、
アバターがドライブのお供になる。
車へのアクセスは生体認証となり、
ドライブ情報は中央システムによって
運行管理される。
そのため交通事故はほとんどなくなり、
目的地に到着する時間は正確になり、
その裏側で個人情報はシステムに収斂され、
プライバシーの保護こそが
最大の問題になるだろう。

車を選ぶ基準は、
もはやクルマの動力性能ではなく、
ソフトウェアのグレードに
置かれることになる。

そして誰もが気付かざるを得ないことだが、
石油産油国は大打撃を受けるだろうし、
もっと身近なこととして日本の主要産業が
縮小を余儀なくされるのか、
それとも新しい勢力に拡大できるのか、
と言う瀬戸際に立たされることになる。

その日はすぐそこに来ている。
僕は想像する。
車の中での楽しみとして音楽や動画は、
どんな変化を届けていくのだろうかと。
今あるAVシステムはすべて古くなる。
何しろ車の中が
完全なるエンターテイメント空間になるのだ。

車の運用の中心をプレステが担う?
いや、むしろ
プレステがクルマになって移動する、
というイメージのほうが近い気が…

僕らがいなくなった後ではない、
それは僕らが生きてる間にやってくる。

ジェームス・ワットの蒸気機関の発明以来、
人類は化石燃料に頼って、
文明を発達させてきた。
そして車社会が誕生し、
石油の消費量は爆発的に拡大した。
その時代が終わるのはすぐそこ。
100年に1度の大変動期。
既に僕らはそこにいるのだから。

これはもっと時間をかけて
考えてみる価値のあるテーマ。

さて、自分はどうしていこうか?
もしかしたら移動中に
ギターを弾いたり、DTMをしている?
もっとそれ以上に
これが表現にかかわる問題であることは、
まず、まちがいない。

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