マスター完成。動きだそう、外に向かって。

すっかり秋らしくなったが、
9月はまだ一週間ある。
そんなタイミングで
この夏を費やした「東京キッチンRevoice」の
音源制作が終わった。
写真は夜の都庁。
この夏はレコーディングした音源を
なんども繰り返し聴いて
ミックスを作り込んでいった。
よなよな徘徊しながら。
最後の夜は自転車で
新大久保〜歌舞伎町〜新都心というコース。
東京キッチンは都会の暮らしのなかから、
作られた音楽だからか、
あるところはカオス、あるところは空虚。
東京こそは坂だらけで、人だらけ。 
そのなかで自然といえば、それは風だ。
いい風が吹きぬけてゆくと、
人は気持ちいい、と感じる。
野口晴哉は
「太古の始めから風は吹いていた。
 今日に至るまで風は吹いている。
 今日の風も、太古から吹いていた風だ」と
記している。
人にとって風とは
地球の気みたいなものか。
では人にとっての気もまた
風と言えるのかも。
気が通ること、風が通ること。

それはとても気持ちのよいこと。
生命がいきいきしてくること。
風通しがよくなった。
東京キッチンという
僕の最初のアルバムが
本当の意味で完成するには
なんと22年もの年月が必要だったのだ。
今回、このRevoiceに取り組んでみて
わかったことは、
集中すれば思いは実現すること、
身についているものは
出し切れるということ。
1998年には出来なかったことが、
今できた。

この歳になっても成長する。
これを書いている最中に
板谷さんからマスター完成のお知らせが。
これは本当に沢山の人に聴いてほしい。
かつてない閉塞感の今だからこそ。
これからその道を作っていけるか。

動きだそう、外に向かって。

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